ある恋のものがたり (3)

自転車で渋谷に向かいながら考え事。
そういえば、ねーちゃんから葉書が来てたなぁ。
※メンバーカード作ったので住所は教えてある

壺を購入してください
今までありがとうございました。今後はなかなか会う機会が無くなってしまいますが、なんたらかんたら。

そんな感じの文章。
コイツ、やっぱり連絡先を教えるつもりは無いな、と感じた。

西麻布の交差点で信号待ち。
ふと横を見ると、お花屋さんがある。
そういや花が好きとかそういう会話交わしたことがあることを思い出し、最終出社日に花をプレゼントするのもカッコイイかもと思い、花を買っていく事にしました。

お花屋さんでアレンジメントフラワーを購入。花束は恥ずかしくて無理。
ごく普通のビニール袋に花を入れるお花屋さん。
ちょっっ!そこは普通こじゃれた紙袋とかに入れるでしょ!ビニール袋じゃ安っぽいじゃん!

ビニール袋を下げて(←負け組)丸井に到着。
気持ちを落ち着かせるために無駄にコムサとかに入店。
で、ようやくねーちゃんのいる店に突入です。

「来てくれてありがとうございますー 来てくれないかと思ってましたー」

花を渡す。喜んでくれました。
今までの思い出や今後の事など話しました。
話していると時々ねーちゃんがウルウルしだしたり。
あー可愛いなーちくしょう。
そんな彼女を見てるとワタシまで泣いてしまうので、そのたびに話をそらしてしまう。
まぁそんなところ。

そんな感じでこれで最後になるであろう会話を30分くらいしていました。
いろんな話をしました。
最後に握手を交わして店を後にしました。
そんでネタフルナイトに向かいました。


「名刺をいただいているので、何かあったら連絡できますね」
彼女はそう言った。
でも連絡は来ない気がする。
それでいい。
彼女からの連絡がないということは、彼女の生活がうまくいっているということだから。

こうして名前しか知らない女性とのほのかな恋が終わりました。

おわり(連絡が来たり、電車で偶然会ったりしたら続く)。