佐野元春ブロガーミーティングに行って来た

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佐野元春さんとブロガーが会する「佐野元春ブロガーミーティング」にお呼ばれしました。

まず最初に断っておかなければならないのは、ワタシは佐野元春に対して特別な思い入れがあるわけではありません。
知っている曲もごくわずか。2003年のLIVE EPIC 25で見たことがあるくらいです。

そんなワタシでも、佐野さんのお話を聞いていると、それだけでとても感動してしまいました。
佐野さんのファンだったら泣いちゃったんじゃないかな、そんな風に思えたミーティングとなりました。

パソコン通信ですら珍しかった1989年に、テキストが通信できるならいずれ音楽や動画がやりとりできるようになるであろうと予想し、そのときから従来のメジャーレーベルのビジネスモデルは変革を迫られるであろうと確信していたこと。
1999年には当時所属していたEPIC(SME)が他に先駆けて音楽配信サービスを開始した際、チャレンジングな姿勢に共感し、協力を申し出たこと。
しかし2004年のCCCD問題。自分の作品もCCCDとしてリリースされてしまい、ネット上やいろいろなところで佐野さんへの非難が集まってしまったこと。
SMEの役員たちとCCCDについて話し合い、戦ったこと。
そして独立を決意して自身のレーベル「Daisy Music」を立ち上げたこと。
独立の際は、ワクワクもあったけれど、20年間所属したレーベルを離れたことに対する悲しさのほうが大きかったこと。しかし独立に対してファンから数多くの反響があり勇気付けられたこと。
消費されない、本当によい音楽を届けられるインターネットで、さまざまな活動をおこなっていきたいこと。

このようなことを話してくれました。

CCCDの導入から、日本でiTunes Music Storeが開始されたころというのは、ワタシはちょうど音楽業界の片隅で仕事をしてたころで、それだけに佐野さんの辛さ、レーベルとの確執というのがわずかながらも実体験として共感することもあり、一方でレーベルの葛藤というのもわかるところもあり、そのあたりのことが佐野さんの口から語られたことで、切ないやら苦しいやらな気持ちになってしまいました。

現在、佐野元春の楽曲はiTSとMusicoで配信しているそうです。
なぜ、Musicoなのかというと、音楽に対するリスペクト、音質へのこだわりをかってのことだそうで。
現在は着うた・着うたフルはやっていないが、Musicoのスタッフとともにやろうと考えているそうです。
やはり音質にはこだわるのですね?と聞いたら、「こだわります」と一言いただきました。

佐野さんはどこまでもリスナーのことを考えていてくれるんだと、そしてリスナーのことを信じているんだということがわかり、泣きそうな気持ちになりました。
そして自分の音楽に誇りをもち、自分以外のアーティストに敬意を払いながらも、音楽をビジネス優先のものではなくて、純粋に楽めるものに戻していこうという気持ちにあふれていました。

ブロガーミーティングの様子は、ネタフルさんの詳しいレポートをお読みいただければ、把握できると思います。
このレポートは佐野さんの言葉をそのままテキストに起こしたような、本当に臨場感あふれるものです。

また、公式サイト「Moto's Web Server」にも“第一回「佐野元春ブロガーミーティング」開催される”というエントリーがあがっております。