演劇集団キャラメルボックスの「カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」を見てきました (2)

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カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」のストーリーはこんな感じ。

8月、大学生の高梨ほしみは、家族6人でキャンプに出かける。それは、年に一度の家族の行事。ところが、キャンプ場に向かう途中で事故が起こり、家族全員を失ってしまう。ほしみだけは軽傷で済んだが、直ちに病院へ運ばれる。すると、亡くなったはずの家族もついてくる。その姿は、ほしみにしか見えない。なぜなら、彼らは幽霊だから。バラバラだった家族が、ほしみを見守ることで一つになる。しかし、いつかは別れなければならない。ほしみが家族と過ごす、最後の夏......。

中央奥にタケコ・ツキエ・ヨウタがすわり、の3人が回想するところから始まりました。
舞台左に電話をかける男。舞台右に携帯を取る女。どうやら女は男の行方を案じているらしい。その脇には別の男。
どうやら最初に電話をかけた男は警察に追われているようだ。

舞台は変わって、病室のシーンに。
主役のほしみ(高部あい)登場。
高部あいはキャラメルボックス所属の劇団員ではなく、全日本国民的美少女コンテスト出身のタレントさんです。
残念ながら今まで名前も知らず、見るのは初めてです。
なので、いつもの高部さんはどうなのわかりませんが、声が細いなーと思いました。

まわりの役者たちは舞台をいくつも経験している人たちですから、客席中に通る声をしているわけです。
でも、高部さんは初舞台で緊張しているからなのか、経験が不足しているからなのか、声が細い。後ろのほうの座席の人はちゃんと聞き取れたのか心配。

でも、それ以外は初舞台とは思えないほどほしみ役をきっちりと演じていました。

病室では患者2人と、看護婦、ほしみとほしみの家族、計9人が入り乱れてのにぎやかなシーン。でも何故か会話がかみ合ってない。
それもそのはず、ほしみの家族は事故ですでに死んでいるのだから...

初日だから芝居が固まってないなんて、まったく杞憂でした。
9人が次々に話すこのシーンも実にテンポよく進んで行きました。
そりゃそうですよね、プロですもの。
むしろ初日だからこその、いろいろなサービスがあることを知りました。

物語は、ほしみを中心とした病室の物語と、冒頭の男の物語が交互に進んでいきます。
次第に別々の物語だと思っていた話が絡み合い、1つの物語になっていきます。

随所に入るギャグも良い。なかでも美輪明宏とムーディー勝山のネタが面白かったです。
そして感涙。ほしみのおかげでバラバラだった家族が1つになり、しかしいつかは別れなければならない。そのあたりからはずっと涙目で舞台を見ていました。
お別れのシーンでは、溢れそうなほどになりましたが、ギリギリセーフ!


他に見たことがある2つと比べると、今回の舞台が一番面白かったと思います。
泣けたのは「雨と夢のあとに」の方が泣けましたが、別に泣ける話すなわち良い話というわけではないですからね。トータルではこっちのほうが好き。

それにしても、生で見る舞台ってのはいいなぁ、って再認識しました。
これから1ヶ月も公演は続くので、もう一度見に来たいと思いました。
初日を見に来てくれた人限定特典として、初日の半券があると以降の当日券が半額で買えるそうです。よし、行こう!

土曜日の昼の回は託児サービスがあったり、当日10時から開演2時間前までチケットを半額で購入できるシステムがあったり、浴衣を着て行くと当日券が割引になったり、とにかく見に行きやすい環境作りがすばらしいですね。

平日の開演を20:00にしてくれると、もっと見に行きやすいと思いました。
でもさすがに20:00開演は難しいですよね...

キャラメルボックスでのiPod所有率は100%だそうです。恐るべしハイテク演劇集団。
今回のカレッジ・オブ・ザ・ウィンドの劇中にもiPodが小道具で使われていました。きっとあれは誰かの私物なんだろうなー。

15年前の初演、7年前の再演の時はiPodなんてものは存在しなかったけど、そのときはMDプレーヤーとかテープレコーダーとかを使ってたのかな、なんて思いながら見てました。
本日の公演ではブログライターご招待を行っています。

※「ブログライターご招待」とは......?
ご自分でブログや、日記ページをやっている方、いわゆる「マスコミ」じゃないけど、どこかで原稿を書いている方、mixiやGREEやCaramellandなどのSNSに加入していて、そこで日記を公開している方に、初日近辺のステージをご覧いただき、その感想を期間限定で書いていただくかわりに、無料ご招待いたします、という、「みんなで拡げようクチコミ・コミュニケーション」企画です。
もちろん、ご覧いただいて納得がいかなかった場合には、正直に書いていただいて結構です。無理矢理ほめる「提灯記事」を強制したりはいたしませんので、気軽にご参加ください。

ということで、ちゃんと無理矢理ほめる「提灯記事」を強制したりはいたしませんと明記しているのが、なんて度量の大きい劇団なんだろう、と思いました。